2025年1月20日、米ワシントンの「キャピタルワン・アリーナ」で大統領令に署名するトランプ大統領=ロイター

ニコラス・クリストフ

 ドナルド・トランプ大統領は就任演説で、「国を守ること以上に重要な責務はない」と述べた。

 では、トランプ氏は就任初日に何をしたのか。米国をより弱く、より危うくしたのだ。

 米国でTikTok(ティックトック)に新たな息吹を吹き込もうとしたトランプ氏の動きは、その最たる例であり、これについては後ほど触れる。しかし、そうした動きはこれだけではない。

 私たち全員に迫りくる脅威の一つは、2014~16年のエボラ出血熱の流行や新型コロナウイルスのパンデミックで見られたように、世界の遠い片隅で始まるウイルス性疾患だ。パンデミックから私たちを守るガードレールとなっているのが世界保健機関(WHO)であり、ウイルスが外国で拡散する前に早期に阻止する活動を行っている。しかし、トランプ氏は就任初日に米国が同機関から脱退すると発表し、次のウイルスが世界規模で広がり、多くの米国人の命を奪うリスクを高めている。

「恩赦をもらったぜ、ベビー」

 トランプ氏が民主党は法と秩…

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