2025年4月8日、在韓米軍のキャンプ・ケーシーで、訓練用の手榴弾(しゅりゅうだん)を投げる第7歩兵師団の米陸軍兵士=在韓米軍ホームページから

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は22日、米政府が在韓米軍(約2万8500人)を縮小し、約4500人をグアムなどインド太平洋地域に再配置する案を検討していると報じました。米ランド研究所上級アナリストのブルース・ベネット氏は「非常にまずい案だ」と批判します。

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「本当にまずい考え」

 ――在韓米軍縮小の意図は何でしょうか。

 報道は、在韓米軍の完全撤退ではなく、軍の約15%にあたる4500人の撤退について言及しています。

 現実の問題として、米軍の規模は、国防総省に課せられた全ての軍事案件を考えると、小さすぎるのです。世界のある地域で兵力増強を必要とする課題が発生した場合、増員のほとんどは、米国外に配備された部隊から転用する必要があります。米国防予算は上乗せが予想されていますが、米国内の兵力からの転用は難しいかもしれません。

 最終決定ではありませんが、国防総省は、世界の別の場所でより多くの軍が必要で、転用できる可能性があるのが在韓米軍だと結論づけたようです。

 しかし、私は朝鮮半島以上に世界の他の地域が米軍を必要としているとは考えにくいと思います。今、在韓米軍から4500人の要員を転出させることは、本当にまずい考えだと思います。

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