ご飯の糖質を低減できるとうたう「糖質カット炊飯器」の宣伝文句に根拠がないとして、消費者庁が2023年、家電販売会社「forty―four」(東京)に再発防止を求める措置命令を出した。この処分を不服として、同社が国を相手取って命令の取り消しを求めた訴訟で、東京地裁(鎌野真敬裁判長)は25日、命令を取り消す判決を言い渡した。
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原告側の代理人弁護士によると、消費者庁の措置命令の取り消しを命じた判決は初めてという。
判決によると、同社は炊飯器を「お米を変えずに普段通り炊くだけ」「糖質45%カット」などと宣伝した。この文言について消費者庁は、合理的な根拠がないのに「通常の炊飯機能で炊くのと同様に炊き上がり、糖質も45%減らせるかのように表示した」と認定。景品表示法違反(優良誤認)で措置命令を出した。
しかし判決は、宣伝の表現には、通常機能で炊いたご飯と同様の炊き上がりになることを示す直接の文言はないと指摘。「商品の品質などが著しく優良であると表示するものとはいえない」として、措置命令は違法だと判断した。
原告側代理人は「裁判所による正しい判断が示されたことに満足している」とコメント。消費者庁は「主張が認められなかったことは残念。判決の内容を精査した上で、関係機関と協議し、対応を検討する」とした。