正直、がっかりです。メインテーマの主旋律が、薄く甘く弱々しい響きに“改変”されているからです。2953人(私も入ってます)が参加したクラウドファンディングにより押井守監督の初実写映画「紅い眼鏡」(1987年)が4Kリマスター化され、UHDブルーレイなどが1月末に届きました。忙しくて全編見られないし付録のぶ厚い小冊子(記録集)も読めないけど映画冒頭からオープニングまで見てみよか、とUHDディスクをかけたら「あれ?」。オリジナルのモノラルバージョンから5.1chリミックスバージョンに音声を切り替えたら「えっ、何これ?」。DVDやCDを再生して聴き比べ「なんてえことをしてくれたんだ!」と嘆きました。
以下、初公開時から「紅い眼鏡」を愛してやまない押井ファンからの不満です。
押井ファン、そして音楽を担当した川井憲次さんのファンにとって「紅い眼鏡」のテーマ曲は永遠の心の友です(言い切っちゃおう)。映画館で、CDで、DVDで聴くたびに血がたぎり、2007年に川井さんが横浜で行った大コンサート「シネマ・シンフォニー」でそのイントロが始まった瞬間「待ってました!」と拍手しました。オルフの「カルミナ・ブラーナ」みたいな曲をという押井さんのオーダーで作った名曲を、ステージ上にそろったピアノとドラムとベースとパーカッションと混声合唱とオーケストラで聴けるんですから、そりゃもうシビれました。
我が家の再生機器(ブルーレイレコーダー+テレビ+CDプレーヤー+ステレオアンプ+スピーカー)はUHDブルーレイに対応していますがマルチチャンネルでなくステレオです。比較のため曲はエンディングテーマを選び、UHDのモノラルバージョン(24年マスタリング)と5.1chバージョン(24年制作)、「押井守シネマ・トリロジーBOX」(03年)所収のDVDのモノラル&ステレオ音声、「K-PLEASURES Kenji Kawai BEST OF MOVIES」(08年、3枚組み+DVD)所収のSACD(ステレオ)、00年に単体で出たベスト盤CD「K-PLEASURE “Kenji Kawai Best of Movies”」(ステレオ)を聴きました。
ベストはSACD。ピアノは…