東京会議に参加し、世界秩序をどう修復していくかについて話し合う世界11カ国のシンクタンク代表ら=3月4日、都内のホテル、奥寺淳撮影

 国際秩序が揺らぐなか、世界の首脳経験者や11カ国の有力シンクタンク代表らがその修復について話し合う「東京会議2025」(言論NPO主催)の公開討論が4日、東京都内で開かれた。ロシアによるウクライナ侵攻などの国際問題を、大国の取引に委ねることは危険だとし、日本やグローバルサウス(新興・途上国)を含む国際社会が関与して解決すべきだとする議長声明を発表した。

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 東京会議は、国際秩序が不安定化するなか、法の支配や多国間協力を推進する目的で、2017年に始まった。しかし、トランプ米大統領の復権で大国の「力の政治」によって物事が決まる傾向が強まっており、「国際秩序が壊れかけている」(工藤泰志・言論NPO代表)。こうした危機感のもと、国連創設80年の今年に国際協調と平和の修復をどう進めるかについて意見を交わした。

 冒頭に岸田文雄前首相は講演で、「多国間主義や国連などの価値を認めず、自国利益を優先する声が世界で強まっている」と指摘。本来、こうした価値観を守るのは主要7カ国(G7)にもかかわらず、「欧米が対立し、一方的な価値を押しつけることは不幸なことで、価値観の異なる権威主義国家を勝ち組にしてしまう」と危機感を述べた。

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