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春光苑の防災ずきんを持つ笹田通子さん=2024年8月13日午後2時56分、宮崎県日南市園田1丁目、奥正光撮影

 南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)に伴う注意の呼びかけについて、政府は15日夕、当初の予定通り終了した。対象となった沖縄から茨城までの707市町村はそれぞれ判断が求められ、手探りの1週間だったが、大地震に備え、課題も浮き彫りとなった。

 巨大地震で最大34メートルの津波が想定される高知県黒潮町は、臨時情報が発表された8日、町内全域に警戒レベル3の「高齢者等避難」を出し、最大で32カ所の避難所を設けた。

避難者は1日最大8人

 だが、8日の避難者は1カ所の3人だけ。町は翌9日、避難に支援が必要な一人暮らしの高齢者ら約230人に電話したり、訪問したりして避難所への一時避難を呼びかけたが、避難者は10日時点の最大8人で、避難所を段階的に閉鎖した。

 町の担当者は「臨時情報が住民にどう解釈されるかが見えず、問い合わせが殺到するなどの混乱も予想したが、町民には冷静に対応してもらえた。それぞれが普段の訓練や備えをしっかりしていて、慌てることがなかったということだろう」と話した。

高齢者施設も苦慮

 一方、8日の地震の震源から…

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