吉田ルート5合目のゲートを通過する登山者ら=2024年9月10日、富士山、池田拓哉撮影

 来夏の富士山の登山規制のルールが、山梨、静岡両県でほぼ統一され、通行料・入山料は4千円、5合目などから上の通行規制は午後2時から翌午前3時となる方向となった。ただ、関係者によると、両県は最初から「ルール統一ありき」で調整していたわけではなかった。

  • 来夏の富士山、山梨県側も通行料4千円・午後2時閉鎖 静岡と統一へ

 12月12日、東京であった山梨県関係のイベントで、長崎幸太郎・山梨県知事と鈴木康友・静岡県知事がそろって記者会見に臨んだ。

 来夏の登山規制について問われると、鈴木知事は「できるだけ統一できるように調整している」と述べ、「富士山に来る観光客が戸惑わないように、両県で足並みをそろえることに大きな意義がある」と強調した。

 一方、長崎知事は「(両県は)別々の議論」としたうえで、「調和がとれることが一番望ましい」「同じ水準にできればベター」と慎重な言い回しに徹した。

 山梨県は9月下旬ごろから来夏に向けた登山規制の見直しについて、約6割の登山者が利用する吉田ルートの山小屋、山岳ガイド、5合目の観光事業者などの団体と水面下で調整を続けていたが、その調整がまだ終わっていなかった。

懸念されたゲート閉鎖時刻

 複数の関係者によると、県は…

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