現場へ! 言語聴覚士 知ってる?(3)
高齢者や家族らに向けた「耳からの健康講座」に、スマホアプリを使ったゲーム感覚の「聴こえチェック」。高齢化率が3割を超える山形市の「聴こえくっきり事業」は、気軽な催しを通して聴力に不安を抱える高齢者に耳鼻科医受診のきっかけをつくり、補聴器の装用へつなげる。
市と山形大医学部、市医師会、山形県言語聴覚士会に日本補聴器販売店協会、アプリ会社が加わる取り組みは全国初で、各地から問い合わせが絶えない。
2022年12月の事業開始から昨年9月末までに337人が「チェック」に参加し、若年者なら9割程度になる語音聴取率が6割未満だった105人に難聴の疑いが判明した。この人たちに言語聴覚士が個別に結果を説明し、耳鼻科に行くことを勧めた結果、8割超の85人の受診につながった。52人が補聴器を処方され、住民税非課税などの要件を満たした21人が補聴器購入費助成(上限4万円)を受けた。
「専門家が関わるからこその高い受診率です」と市長寿支援課の舩山由紀子課長補佐は連携効果に胸を張る。会場で相談に対応してきた言語聴覚士で現在は新潟医療福祉大学講師の千葉寛之さん(44)は「聞き取れないと実感した後なので、落ち込まないように日頃の悩みなども傾聴します。難聴は自分も含め加齢で誰にでも訪れると説明し、補聴の必要性を理解していただくようにしています」。
聞き取れない時は相手の言葉…