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 「民意」を可視化しようと政治家がAI(人工知能)を活用することは、民主主義のあり方にどう影響を与えるのだろうか。政府や自治体のデジタル化に関わってきた庄司昌彦・武蔵大教授(情報社会学)に聞きました。

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連載 AIと民主主義⑨

――AIを活用する政治家・政党の動きをどうみるか

 基本的にはどんどん使った方がいい。私は学生にも、リポート作成にAIを使ってもいいと言っています。ただし、文責を持てない内容は出すなと。政治家も説明責任を負うという点では同様です。AIというと万能な技術に聞こえるが、SNSとの向き合い方と共通する部分は多い。ポイントはどう使うか、です。

――SNSの声を可視化して政策に反映する「ブロードリスニング」はどうか

 民主主義を補完するような方向にこそ、AIを活用するべきです。ブロードリスニングは少数派も含めた多様な意見を可視化できる点で評価できます。ただ、使い手にも受け手にもリテラシーが求められます。可視化されたその声が、誰の声なのか。SNSから収集してきたのなら、SNS以外の声の存在を考える必要があります。

「AIには癖がある」 見抜く使い方を

記事の最後では、AIと民主主義の関係について話すオードリー・タン氏への単独インタビュー動画も視聴できます。

 もう一つ重要なのは、AIの…

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