「党内分裂の回避」を理由に石破茂首相(自民党総裁)が退陣を決め、次の総裁選びに注目が集まっている。政権発足から342日目での退陣表明。少数与党で苦しい政権運営を求められた1年弱の石破政権をどう振り返り、次の総裁に何を求めればいいのか。各界の識者に聞いた。
東京大の牧原出教授(政治学)は、米国との関税交渉の大枠のとりまとめや、米価対策への道筋、党首討論で自らの言葉で話す姿勢など、一定の成果を上げたとみる。だが、党内で追い込まれる形で急きょ、退陣表明したことに「継承が不確かになった」と指摘する。
7日の退陣表明会見では「真の解党的な出直し」と語ったが、具体策には触れなかった。「石破おろし」に動いた議員たちも、新しい党の姿を示したようにはみえない。「短絡的に看板を変えれば何とかなるという期待にすがっていては、仮に新総裁で内閣や自民党の支持率があがっても、またすぐに下がるだろう」とみる。
新総裁が首相に選ばれても…