効果的な動画コンテストの方法について発表する学生たち=2025年6月6日午後2時15分、さいたま市桜区の埼玉大学、杉原里美撮影

 若者に地球温暖化対策への興味を持ってもらうには、どうすればいいのか――。県が今夏初めて開く「脱炭素」動画コンテスト。埼玉大学の学生たちが、若い世代にも関心を広げるためのアイデアを複数まとめた。その中身とは。

 提案したのは、埼玉大学全5学部の学生20人。4月から、社会変革研究センターの持木克之准教授が受け持つ課題解決型プログラム「脱炭素社会を生きる」を受講している学生たちだ。「脱炭素」は、地球温暖化対策として、二酸化炭素(CO2)の排出量を減らす取り組みを指す。

 5人ずつ4班に分かれ、3回の授業で計9時間議論してアイデアをまとめ、各班が6日、12分間のプレゼンテーションを披露した。

 ある班では、コンテストの参加者を増やすために、動画アプリの使い方を説明する動画を視聴してもらったり、小中高大学生には授業内で取り組んでもらったりすることを提案した。

 別の班では、参加のハードルを下げるため、写真や絵を組み合わせた動画の募集を提案。ニックネームで応募でき、ウェブサイト投票を実施する提案もあった。

 若者に人気のショートドラマ型のコンテストを提案した班は、昼休みや放課後に自分たちで撮ったショートドラマを公開した。経済学部2年の曽我野々花さん(19)は、ドラマの撮影で「脱炭素」に興味がわき、エアコンと扇風機の併用などを実践しているという。他の班の発表を聞いて、「短い時間だったけど、SNSの活用の仕方など様々な意見があることを学んだ」と話した。

 講評をした県温暖化対策課の佐藤正太課長は、「どこまで反映できるか難しい面もあるが、来年度以降も含め、みなさんのアイデアを採用したい」と述べた。「私がゼロから考えたら出てこない提案ばかりで驚いた」といい、「大学と連携した価値があった」と振り返った。

 県は7月下旬にも、「脱炭素」を知ってもらい、行動を変えられるような動画の募集要項を発表し、今年度中にコンテストの審査をする予定だという。

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