竹下登元首相や青木幹雄元官房長官ら政界を代表する実力者が輩出した指折りの自民王国で、自民党の立候補予定者がここまで党を厳しく批判する光景があっただろうか。
「私に対して冷たい逆風が吹き荒れている。政治資金をめぐる自民党の問題は、みなさまと同じように、強い憤りを感じている。法律を作る立場にある者が、法律を守ることさえ出来ていなかった。全く説明のつかない体たらくだ」
3月31日、島根県雲南市。中国山地を走り抜けるJR木次線・出雲大東駅前で、紺のスーツを身にまとった自民新顔の元財務官僚、錦織功政氏(55)は、地元党員ら約30人を前に裏金事件への激しい怒りを強調した。
錦織氏は4月16日告示、2…