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嶋崎秀彦・元千代田区議=2023年7月7日午後5時25分、東京都千代田区、森下香枝撮影
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 公立の「ブランド小中学校」への入学を巡り、地元の有力議員が仲介し、虚偽の書類が作られ、金品が介在していた。東京都千代田区で発覚した越境入学不正。各地に公立の人気校はあり、越境入学も広がる。不正の背景には何があるのか。

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 「『議員案件』みたいな認識だった。確認や聞き返しをすると嫌がらせを受けるかもしれない」。区教委関係者の一人は、嶋崎秀彦・元区議会議長(64)から越境入学の依頼を受けた当時の心境をこう語る。

 関係者によると、東京都江東区の生徒が2021年4月、千代田区立中に越境入学したケースの始まりは20年秋だった。母親が知人を介して元議長に接触し、相談を持ちかけた。元議長は03年初当選のベテランで、周囲から「自民区議のドン」と呼ばれていた。

 元議長は母親の相談を受け、自身の支援者である区内の店舗に連絡。店主は元議長の求めに応じ、母親が店で働いていると偽った就労証明書を作成した。

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 越境入学で、区教委関係者に…

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