資金難で存続が危ぶまれている「志段味(しだみ)の花火」を残そうと、志段味商工振興会がクラウドファンディング(CF)で寄付を呼びかけている。振興会の市川敦久会長(53)は「子どもの頃に花火を見た人が、今は親となり、子どもを連れて見に来るかもしれない。なんとか花火を続けたい」と話す。
花火は、志段味スポーツランド(名古屋市守山区)で開催される「志段味納涼夏まつり」で打ち上げられる地域の夏の風物詩。今年で25回目となる。
市川会長によると、花火の打上げには花火会社の手配や警備代などで今年の費用は200万円以上。主な収入源であった企業の協賛金が減り、さらに物価高で祭りの運営費が数年前に比べて1.4倍ほど増加したことで、今後に向けて資金繰りが課題となっていた。
そこで、振興会は5月1日からCFを開始。「花火だけは絶対なくさないでほしい」「毎年子どもと楽しみにしている」などの声とともに寄付が寄せられ、今月10日に目標額の50万円が集まった。広報担当の西村佑香さん(43)は「地元の人々の思いを知ることができ、ありがたい」と感謝する。振興会は6月末まで、目標を80万円にしてCFを継続し、さらに集まった資金で今年の花火の本数を増やすことを計画している。市川会長は、「住民のための住民による夏まつりを目指したい」と話している。
夏まつりは7月26日、同スポーツランドで開催予定。入場無料。CFはインターネットサイト「CAMPFIRE」で今月30日まで受け付けている。