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ベトナムで試作された花笠を手にする(右から)尚美堂の逸見良昭社長と佐藤孝弘山形市長、ジェトロ山形の古賀健司所長と妻のチャンさん=2025年2月13日午後3時33分、山形市役所、安斎耕一撮影
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 東北を代表する夏祭りの一つ「山形花笠まつり」。実は昨夏、花笠の数が足りないという〝事件〟が起きていた。背景には、材料と後継者の不足がある。危機を救ったのは、伝統的に笠作りが盛んなベトナムの人々だった。

 踊り手にとって、造花や鈴などをあしらった花笠はまつりの必須アイテム。「山形花笠まつり」は毎年8月上旬の期間中、山車を先頭に1万人ほどの踊り手が「ヤッショ、マカショ」のかけ声で笠を回して踊りながら山形市中心部を練り歩く。2024年は3日間で約70万人(主催者発表)が訪れた。

 花笠の9割以上を製造・販売しているのが土産品卸・小売業の「尚美堂」(山形市)だ。逸見良昭社長(64)によると、例年、約4千個を踊り手団体などに販売しているが、昨年は約1千個分の注文を断らざるをえなかった。

「おしん」人気も後押し

 背景にあるのは、花笠の材料…

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