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七回表巨人1死三塁、丸佳浩は適時三塁打を放ち、三塁にヘッドスライディング。サイクル安打を達成した=日刊スポーツ

(20日、プロ野球 読売ジャイアンツ15―2東京ヤクルトスワローズ)

 勝負強い、この36歳らしい打撃で偉業を成し遂げた。

 七回1死三塁。巨人の丸が、ヤクルトの左腕・長谷川の投じた内角の直球を振り抜く。打球は右中間を破った。2013年に盗塁王を獲得した俊足の持ち主は快足を飛ばす。「頼むから自分の足、もってくれ」。三塁へ頭から突っ込む。プロ野球史上77度目(72人目)のサイクル安打を達成し、笑みを浮かべた。

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 第1打席から快音を響かせた。一回1死二塁。ランバートが投じた内角の直球をとらえ、右翼席へ。2試合連続の一発となる5号2ランアーチ。「コンパクトにきれいに回転して打てた」

 三回は低めの球を右前に打ち返して安打、五回も初球の低めの球にバットを合わせて中越え二塁打に。通算1900安打以上を積み重ねてきた技術の高さを見せつけた。

 6月から1番を担ってきた。8月17日の阪神戦で今季初の3安打を打ち、この日は3番で先発。巨人の得点は直近2試合で計1点だったが、丸の先制本塁打に触発され、今シーズンチーム最多安打、最多得点で大勝。打順を組み替えた首脳陣の期待にも応えた。

 丸は言う。「まさかこの年齢で達成できると思っていなかった。びっくりしている。若いときからしっかりとハードめにトレーニングしてきた。貯金があるのかな」。積み重ねてきた努力が、快挙に結びついた。

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