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当選から一夜明け、楠原利春・市選管委員長から当選証書を受け取る権藤英樹氏(右)=2024年7月1日午前9時55分、福岡県うきは市役所
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 福岡県うきは市長選が6月30日投開票され、いずれも無所属新顔のうち、前市議の権藤英樹氏(48)が、自民党と公明党が推薦する元県議の小河誠嗣氏(70)と、日本郵便社員の中島洋次郎氏(43)を破り、初当選を果たした。2町の合併で2005年に誕生した同市では、自公推薦候補や現職の当選・無投票当選が続いており、自公推薦候補が敗れるのは初めて。

 同市では、高木典雄市長(72)が3月末に立候補しない意向を表明し、新顔3人の戦いとなっていた。確定得票は、権藤氏4784票▽小河氏4281票▽中島氏2040票。当日有権者数は2万2965人、投票率は48・89%(前回無投票、2016年56・10%)で過去最低だった。

 権藤氏は、連合福岡政策・政治局長や西日本鉄道社員を務めた後、22年に市議に初当選。今回、市議1期目途中で辞職し、市長選に挑戦していた。「旧態依然とした政治はやめましょう」と世代交代を訴え、組織の支援は受けていなかった。一方で、出陣式には地元選出で立憲民主党の野田国義参院議員が駆けつけ、「10年間、友人として(権藤氏の)いろいろな行動を見てきた。権藤候補こそ市長にふさわしい」とエールを送っていた。

 当選から一夜明けた1日、報道陣の取材に応じ、「選挙中にまちの声として、40代を含めた若い世代の自公離れ、『入れたくない』という声や動きはあり、受け皿になり得たと思う」と語った。

 小河氏は合併してうきは市となった旧吉井町役場、うきは市役所に長年勤務し、退職後に市商工会事務局長を経て2015年から県議を2期務めた。今回、自公両党の推薦をうけ、各種団体も加わり徹底した組織選挙を展開。出陣式では、地元選出で自民党の鳩山二郎衆院議員が出席し、「選挙は油断したほうが負ける」とげきを飛ばしていた。

 政治とカネの問題で逆風下にある自民党の推薦を受けることについて、小河氏は選挙中、「市長選は中央のことを判断する場ではない」と影響を否定。落選が決まった30日夜、朝日新聞の取材に対して「推薦をもらって勝ち切らんとは、私の不徳の致すところ」と述べた。

 中島氏は人口減少を食い止め…

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