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JR郡山駅前広場に飾られた「楽都郡山」のイルミネーション=2024年12月6日、福島県郡山市、斎藤徹撮影
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連載「楽都の100年 音楽のまち郡山」(5)

 10月6日、福島県のJR郡山駅西口駅前広場に作られたステージで、小学校の合唱団やアマチュアバンドがクラシックやポップスなど多彩なジャンルの音楽を奏で、周辺は華やいだ雰囲気に包まれた。

 この日は商店街や寺の境内など、市内十数会場でもライブイベントが開かれ、総勢約80の個人・グループが歌声や演奏を披露した。

 「郡山市音楽の日」。毎年10月第1日曜日、街中を音楽であふれさせようと、郡山青年会議所(JC)出身者らでつくる実行委員会が主催し、今年で6回目を数える。

 「市民が気軽に音楽に触れ合い、ジャンルを問わず楽しめるようなイベントにしたかった」。実行委員長の大槻俊介(42)はそう振り返る。

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 大槻は、郡山文化協会元会長・順一の孫。幼少期から様々な音楽に親しみ、中学生でドラムと出会い、友人とバンドを組んだ。

 大学進学で離れた郡山に戻り、2010年に家業を継いだ。その1年後、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故が起きる。

 原発から約60キロ離れた郡山でも、地震で建物が倒壊し、放射性物質が飛来した。大槻はJCの一員として避難所に物資を届ける支援活動に奔走した。

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