旧ジャニーズ事務所(現SMILE―UP.(スマイルアップ))が、故ジャニー喜多川氏による性加害を認めてから、7日で2年がたつ。被害を申告した人は8月下旬までに1031人にのぼり、うち558人が補償を受け取った。一方で、賠償債務をめぐって被害を訴える当事者とスマイル社との裁判も複数起こされている。被害者の救済について、訴訟の当事者となった人や、補償をすでに受けた被害者は、どう見ているのか。
元ジャニーズJr.の大島幸広さん(40)は、スマイル社から訴えられた一人だ。同社は、大島さんが同社が設置した被害者救済委員会による補償の枠組みに応じず、調停でも合意に至らなかったことから、早期解決のために提訴したとしている。
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大島さんが補償の枠組みに応じなかったのは、被害の聞き取りが補償金の算定のために行われ、性被害の再発防止に役立てられないと考えたからだ。スマイル社は外部アドバイザーを選任するなどの再発防止策を打ち出しているが、「性被害を認定された550人以上の実態を明らかにしないままでは、実情を踏まえた対策にならないのではないか」と指摘する。
訴訟で数え直した被害「360回以上」
大島さんが、初めて被害を受…