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三重県紀宝町が2024年3月に設けた津波避難タワー=2025年3月、三重県紀宝町、高田誠撮影
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フォーラム ペットと災害④

 地震や豪雨、山火事など、かたちは様々ながら、毎年のようにどこかで大きな災害が起きています。そんななか、行政や獣医師、動物愛護団体は、ペットと飼い主への対応を、どう現実に合ったものに更新しているのでしょうか。環境省と南海トラフ地震対策を急ぐ三重県を取材しました。

  • ペットの避難所受け入れ 14年経ても改善されず 逃げ遅れ助長も

飼い主は「要配慮者等」のくくり

 国の防災基本計画が昨年6月、能登半島地震の教訓などを踏まえて修正された際、ペット対応に関する項目が大幅に盛り込まれた。

 「環境省として、能登をはじめ近年の大規模災害の現場をいくつも見てきた。ペットと一緒に暮らしているから避難しないという人が残念ながら一定数いる。動物に対して多様な価値観を有する人たちが共に災害を乗り越えられるよう支援したいと考えた」と環境省動物愛護管理室の立田理一郎室長は語る。

 基本計画には、ペットとの同行避難者について、避難所で「適切に受け入れる」よう市町村に求めるとともに、避難してきたペットの「状況等の把握に努めるものとする」と書き込まれた。平時から「家庭動物の受け入れ方法」について地元住民に周知徹底を図ることも促す。

 また、もともと必要に応じてペット用スペースの「確保等に努める」よう求めていたが、その目的として「被災者支援等の観点から」と書き加えた。

 「ペットを飼っている人たち…

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