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札幌地裁に要請書を提出する原告弁護団と支援団体=2024年8月8日、札幌地裁、上保晃平撮影

 北海道恵庭市の牧場で虐待されたとして、長年住み込みで働いていた知的障害者3人が、牧場の経営者家族と恵庭市に損害賠償を求めている訴訟で、原告弁護団と支援団体は8日、聴覚障害がある傍聴者のために裁判所の予算で手話通訳をするよう札幌地裁に要請した。

 原告側は昨年8月に提訴。これまでに4回開かれた口頭弁論では、原告を支援する障害者団体「DPI北海道ブロック会議」(札幌市)の会員らが傍聴している。

 ただ、音声でのやりとりの内容を聴覚障害者が理解することは難しく、今年1月にあった第2回口頭弁論からは、原告側が札幌市の手話通訳者派遣事業を利用。傍聴者向けの手話通訳が札幌市の予算で行われている。

 手話通訳の費用をめぐっては、最高裁が7月、旧優生保護法下での強制不妊手術をめぐる上告審の判決で、初めて裁判所の予算から負担した。(上保晃平)

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