米マサチューセッツ州のハーバード大学で2025年5月29日、卒業式に出席する学生たち=ロイター

 トランプ米大統領が留学生の受け入れ制限などを進めていることを受け、国別で最多の学生が米国で学んでいるインドで懸念の声が上がっている。一方、日本などにとっては、優秀な学生を増やす好機となる可能性がある。

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 留学生の受け入れに必要な認可を停止された米ハーバード大学で経営学を学び、5月下旬に卒業したばかりのインド出身の男子学生は、「暗記だけでなく思考することを重視し、カリキュラムにも柔軟性があった」と、教育の魅力を話した。

 米国に残って海外に事業を展開する企業での就職を希望しているが、外国人を制限しようとする動きが続くのではと不安は尽きない。「多くの在学生は進路の実現が危ぶまれ、(米政権の)裏切り行為のように感じている。一時的な措置だと良いのだけど……」

 メディアの取材に応じれば、米当局からビザの取り消しなどの措置が取られる恐れもあるといい、在学中の学生には「今は受けられない」と取材を断られた。

 2023年度に米国の大学や大学院などに在籍したインド人学生は33万1602人に上り、米国の全留学生(112万6690人)の中で最多だった。米国と覇権を争う中国からの学生数が伸び悩むなか、米国での成功を夢見るインド人学生が増加してきた。

 だが、トランプ政権が米国への留学を希望する学生ビザの面接の一時停止などに動くなか、行き先の変更を考える学生もいる。

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