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これまでの不記載のカネをめぐる判断

自民党派閥の裏金問題をめぐり、石破茂首相が「裏金ではなく不記載」との発信を強めている。衆院選(27日投開票)を意識し、野党による「裏金」批判を打ち消す狙いがあるとみられる。ただ、「キックバック(還流)」や「中抜き」の実態が確認されているほか、党の調査結果にも「裏金」との記述がある。野党からは「矮小(わいしょう)化だ」との批判も出ている。(今野忍、根津弥、浅沼愛)

首相「裏金は決めつけ」 野党「問題を矮小化する意図」

 首相は9日の国会での党首討論で、裏金問題について立憲民主党の野田佳彦代表から追及を受けると、「裏金というのは私は決めつけだと思っている。それは不記載ということだ」と反論。その後、衆院を解散した後に行われた記者会見でも、「いわゆる裏金、不記載でございますね。これは正式には不記載というふうに申し上げる」と述べ、「裏金」との表現を使った記者の質問を訂正してみせた。

 さらに12日の朝日新聞の単独インタビューでは、「裏金というネガティブな言葉でいうのではなく、私は不記載だと思っている」と明言。TBSで行われた14日の討論会では、「裏金というのは不記載なんですよね。頂いたものを記載しなかった。そしてそれが政治資金収支報告書に載らなかったということです」と主張した。

 15日の衆院選公示以降は、街頭演説で裏金問題について言及はするものの、「裏金」との表現は使わず、「不記載」「政治資金収支報告書に載せなかった」などと言い換えている。

 首相就任以前は、石破氏も「…

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