自民党派閥の裏金事件が影を落とした通常国会は21日、事実上閉会した。政府・自民は裏金事件を受けた改正政治資金規正法の成立を急ぎ、その他の法案審議も熟議とはほど遠い内容に。政治課題の多くも先送りにされた。

 「難しい国会だったが、みなさんの協力でここまでこられた」。21日の参院議員総会で、岸田文雄首相は安心したかのように語った。政府提出62法案のうち、61本が成立。政権発足以来続く成立率95%超をクリアしたが、今国会は冒頭から裏金事件の影響を受けた。

 通例では国会初日に行われる首相の施政方針演説が、野党の求めに応じて衆参予算委員会での「政治とカネ」の集中審議の後に回された。裏金事件の影響を考慮した政府・自民は、国民の賛否が割れる法案の提出を見送り、野党に譲歩する方針で臨んだ。修正要求に応じる代わりに法の成立を着実に進めた。

 だが、熟議とはかけ離れた審議も目立つ。

 裏金事件を受けた改正政治資…

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