現場へ! 移民・難民 揺れる英国(2)
英スコットランド・グラスゴーの中心部に「ジョージスクエア」という広場がある。18世紀につくられ、スコットランド出身の科学者ジェームズ・ワットや詩人ロバート・バーンズらの銅像が並ぶ。
昨年9月7日、土曜日の広場に「親英」をうたう集団が現れた。多くが英国旗をたなびかせている。チャールズ国王の似顔絵があしらわれた旗を身にまとう参加者もいた。
彼らの「親英」は、ここでは移民に反対することを意味する。英国は英国人のものであり、英国人が第一に考えられなければならない――。そんな声が聞かれた。
《ヤツらを送り返せ》《反差別主義者って反白人だろ》《自分たちの国で最悪の扱いを受けている》。そんな横断幕も、堂々と掲げられた。
資材販売員のジョセフ・フィニー(63)は移民たちを、とても記事では書けないような生物と比較した。「私たちは我慢の限界を迎えている」と怒りをぶつけた。
「毎日多くのヤツらがやってきて、あらゆるものを得ている。いいか、極右と言われる私たちは単に労働者階級というだけだ。英国で一生懸命働き、税金を払っている」
フィニーは、トランプ米大統領の名が記された帽子をかぶっていた。「2020年の大統領選だって、本当は彼が勝利していた。でも、不正選挙だった」。そんな陰謀論も口にした。
「置き換えられている」という飛躍
現場には、黒ずくめの男たち…