客に服を薦める森藤瞳さん(右)=2024年4月13日、大阪市中央区の大阪高島屋、甲斐江里子撮影
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 「言葉が出るのに時間がかかります」。こんな札を掲げた大学生らが13、14日、大阪・難波の大阪高島屋のアパレルショップで接客に挑戦した。言葉が滑らかに出ない発話障害の一つ、「吃音(きつおん)」がある若者たちだ。

 自身にも吃音がある奥村安莉沙さん(32)=東京都目黒区=が企画した。奥村さんはこれまで、吃音の人たちが店員をするカフェを全国で30回以上開催してきた。「吃音があって一歩踏み出せない若者に、挑戦を通して勇気をもってほしい」という思いからだ。

 今回は初めてアパレルショップでの挑戦。SNSで募集し、大学生ら5人が店頭に立った。

 「どんなシーンで着用されますか」。大阪府枚方市の大学1年生、森藤(もりとう)瞳さん(22)はゆっくりと客に問いかけていた。

 今回の企画に応募したのは、「自分を変えたい」から。自身について「吃音を理由に働くことから逃げている」と感じていたからだ。

 試着をした客から、感想を求められた。

 言葉に詰まった…

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