免許返納のイロハ(下)
運転免許返納も視野に高齢ドライバーを見守る家族は、具体的にどう行動すればいいのでしょうか。兵庫県警運転免許課で高齢運転者等支援室を担当する橋本宏治・課長補佐(48)に過去の事例を紹介してもらいました。
- 年齢よりも運転の特徴に要注意 運転免許返納の検討、家族の心構えは
――家族が高齢になるにつれ、運転に不安を感じることがあります
私も義理の父や実母と車の運転について少しずつ話をしています。母は買い物で車が必要。足腰は弱ってきていますが判断力はしっかりしており、「遠出や夜の運転はしないようにしている」と話しています。
今後、家族が一緒に買い物に行くなどして、頼まれる機会を増やしていくのが大事だと思っています。
――話のきっかけはどのように作ればいいでしょう
「この地域に住んでいる人は、車がなかったらどうするんかな」「買い物はどこに行っている? 歩いていける?」という話をしていると、家族の希望がわかってきます。
――支援室で相談を受けた中で、印象に残っている事例を教えてください
昨年、支援室を訪れたご家族の例です。高齢のお父さんが免許更新時の認知機能検査で「認知症のおそれあり」と判定されました。そしてご家族に内緒で更新手続きを済ませてしまいました。ご家族はお父さんが医師に認知症と診断されていることをご存じでしたので、免許を自主返納させたいと相談を受けました。
――どのようなアドバイスをしたのですか
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