1995年に東京都八王子市の「スーパーナンペイ大和田店」で発生した強盗殺人事件が、30日に未解決のまま30年を迎えた。解決の糸口を見いだそうと、警視庁の捜査員ら約80人が同市の駅周辺で情報提供を呼びかけた。
- 元刑事が抱える思い 30年前に現場、その後も捜査に
事件は95年7月30日午後9時15分ごろ、スーパー2階の事務所で発生。パート従業員の稲垣則子さん(当時47)、ともにアルバイトで高校2年だった矢吹恵さん(同17)、前田寛美さん(同16)が射殺された。
捜査1課によると、事務所にあった金庫も銃で撃たれた痕跡があったが、中の売上金約520万円は持ち去られていなかった。事件発生から今年7月までに、のべ22万人以上の捜査員が投入されたが、容疑者の人数や動機も不明のままだ。
7点の指紋 特定できず
捜査関係者によると、100点以上の指紋が残されていた。警視庁はこの30年でスーパー関係者などとの指紋の照合を進めてきたが、出入り口のドアノブやカウンターにあった7点の指紋だけは個人の特定につながっていないという。捜査幹部は「犯人が手袋をしていた可能性も否定できず、関連を慎重に調べている」としている。
寄せられる事件に関する情報の件数は近年落ち込んでおり、過去5年は平均33件だった。四郎園文明・八王子署長は「被害者の無念を晴らすため、強い意思を持って捜査を続けていく」と話した。情報は捜査本部(042・621・0110)へ。
■被害者の一人、稲垣さんと姉…