高校生議会で提言する韮崎工業高の橘田逞さん(中央)=2024年7月31日、山梨県議会議場

 高校生が山梨県政の課題について提言する「高校生議会」が県議会議場で開かれた。JR中央線の通勤快速の延伸やオーバーツーリズム(観光公害)対策など、大人顔負けのユニークなアイデアが飛び出した。

 次代を担う高校生に政治参加への意識を高めてもらおうと、2018年度から始まり今回で7回目。今回は7月31日に開かれ、18校から各1人の計18人が提言した。

 高校生の提言に対し、県議が講評する形で進められた。

 笛吹高の手塚美裕(みゆ)さん(3年)は、「(JR中央線)通勤快速の甲府までの延伸とリニア(中央新幹線)の早期実現」を提言。実現すれば「県内の高校生にとって進学先の選択肢が増え、山梨県の広い範囲が東京への通勤・通学圏内になって、県からの人口流出に歯止めがかけられる。都内から山梨への移住者も増え、地域活性化にもつながる」と効果を強調した。

 これに対し、伊藤毅・総務委員会副委員長は「交通機関の充実には、引き続き粘り強く取り組んでいく必要があると思った」と講評。

 韮崎工業高の橘田逞(たくま)さん(3年)は、富士山の撮影スポットとして有名になった富士河口湖町のコンビニエンスストア前に撮影を防ぐ幕が張られたことに触れ、「安全な撮影スポットに外国人観光客を誘導できるよう、『(富士山撮影の)映(ば)えスポットを探そう』をテーマに高校生インフルエンサー対象の動画コンテストを開き、その様子を多言語でSNSに拡散してはどうか」と提言した。

 講評した長沢健・農政産業観光委員長は「観光地の魅力の維持と風紀の保持を両立するため、具体的な方策を示した」と評価した。

 最後に卯月政人議長が総評として、「みなさんの姿を、心強く、頼もしく感じた。ここで体験し、考え、感じたことを、学校に戻って、同級生、先輩、後輩にフィードバックして下さい」とまとめた。(三宅範和)

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