葬儀のイメージ

 コロナ禍を経て、参列者を近親者に限ったり、通夜を省略したりと葬儀の簡素化が進んでいる。その一方で、「故人をきちんと見送ることができたのか」という悩みを抱える遺族もいる。

 1月下旬の昼下がり、東京都葛飾区の斎場で75歳で亡くなった女性の葬儀が営まれた。参列者は、喪主を務めた70代後半の夫と子どもやその家族の計8人。通夜を省略した一日葬だ。

 祭壇に設けられた大型スクリーンには女性の新婚当時や家族旅行の写真が映し出され、参列者が思い出を語り合った。式は1時間ほどで終わり、夫は「堅苦しさもなく、身内だけで心ゆくまで見送ることができた」と振り返る。

 葬儀は、通夜と葬儀をそれぞれ執り行う「一般葬」と通夜を行わない「一日葬」、火葬のみの「直葬」などに大別される。最近、特に増えているのが、参列者を近親者に限る「家族葬」だ。業界関係者によると、「家族葬」は30年ほど前に登場し、大勢の参列者を嫌うコロナ禍で一気に広がった。

「家族総」急増の背景には…

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