ベトナムの教習所を視察する祖川嗣朗社長。右側通行で交通標識も日本とは違っている=2024年11月、シンクスリー提供

 徳島市の大手自動車教習所「広沢自動車学校」のグループが、日本で働くベトナム人運転手の育成に向けたカリキュラムづくりに乗り出している。タクシーや運送業のドライバー不足解消に向け、国が昨年、外国人労働者を受け入れることを決めたのを受け、日本の交通ルールやマナーを来日前から学んでもらって安全性を高めるのが狙い。ベトナムの大手教習所とも連携している。

 広沢自動車学校と埼玉県羽生市の「羽生モータースクール」は今年2月、ベトナムの大手教習所グループ「ヴァンタイン」と戦略基本協定を結んだ。共同でカリキュラムを開発し、日本で働くドライバーを育成する。事業の中心は広沢自動車学校で新規事業を手がける関連会社「シンクスリー」と羽生モータースクールの関連会社「テトラ・シフト」が担う。

政府は2.5 万人受け入れ見込む

 日本政府は昨年、外国人ドライバーに門戸を開いた。時間外労働の上限規制をバスやタクシー、トラックの運転手に適用したことで、人手不足への懸念が高まったためだ。在留資格「特定技能1号」の対象に「自動車運送業」を加えることを同年3月に閣議決定。国土交通省は5年間で2万4500人の受け入れを見込んでいる。

 日本でドライバーとして就労を希望する外国人は、まずは就職先との橋渡し役となる「送り出し機関」で日本語を学び、日本語能力試験で一定以上の成績を収めることが求められる。自国の運転免許を日本のものに切り替えたうえで、来日後には車種に応じた2種免許などの取得や、国が実施する技能評価試験への合格も必要だ。

 外国人ドライバーが国内で働くことに不安を感じる人は多いだろう、と語る自動車教習所の関係者。記事後半では、共生社会における交通安全のあり方を模索する動きを紹介します。

 ただ、シンクスリーの海外事…

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