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道後温泉本館（松山市）が保存修理工事をほぼ終え、5年半ぶりの全面営業再開を翌日に控えた7月10日、本館前で記念式典があった。
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道後で三つのホテルを経営し、旅館や商店街などでつくる「道後温泉誇れるまちづくり推進協議会」の会長を務める宮崎光彦さん（68）は感慨深げだった。
「130年前にできた本館はやはり荘厳な雰囲気だ。当時の人々の志に感激した。大事につないでいきたい。その思いを新たにしました」
一方、「これからが正念場だ」と身が引き締まる思いもした。「耐震と保存はできた。でも、本館は前と何ら変わっていない。新しい価値が生まれたわけではないのですから」
30年前に街づくりに携わり始めたころ、宮崎さんは「道後温泉は本館に頼り過ぎだ。これじゃあ遺産の食いつぶしでしかない」と痛感していた。
結婚の条件は「旅館を継がないこと」
愛媛県東部の西条市生まれ。父と同じ県庁で働いた。
29歳、道後温泉の老舗旅館…
