(25日、第97回選抜高校野球大会2回戦 早稲田実4―7聖光学院)
第97回選抜高校野球大会は25日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で2回戦があり、2季連続甲子園出場の早稲田実は聖光学院(福島)に4―7で敗れた。早稲田実の和泉実(みのる)監督の試合後の報道陣との主なやりとりは以下の通り。
――試合を振り返って。
苦しい試合になることはわかっていたんですけど、中村(心大投手)がね、ストレートを完全に打ち崩された感じがあったので。手がなくなったな、という感じはしました。でも、他のピッチャーも全部放ることができたりして。課題はチームとしても個人的にも残るゲーム。夏に向けて、一人一人、チームとしても、課題が残る試合で、これを糧にしたい。その思いだけですね。
――中村を前半に交代させた。
完全に(相手打線がストレートに)合っていましたよね。流れが変わらないと思って。あとは表が出るか裏がでるかわからないピッチャーばかりなんですけど。向こうは2死からでも、追い込まれてからも変化球もストレートもしつこく打ってくる。感じたものはあると思うんですよね。一人一人がいい糧になったと思います。うちとしては中村の次、中村一人頼みじゃ夏は勝ち抜けないと思っているので。この負けというのは、実力の差がそのまま出たんですけど、それとともに次の糧になるような、課題を残した試合だった。それを必ず次はものにしたい、生徒たちもそう思っていると思う。そういうゲームであったことを、夏には報告できるように頑張りたいと思います。
――中村の状態は。
ここまでくるといいも悪いもない。スピードがそれなりに出る球もあったんですけど、それを完全に聖光打線が打ち込んでいた。結局ピッチャーはコントロールなんだなっていう感じがしますね。速い球、強い球、あれもみんな高めのボール球ですから。結局見逃せばボールなんで、彼らの残像には残っていないと思う。もっとストライクゾーンのなかで(球の)強さが出てこないと意味がない。それと同時にストライクゾーンに入る球には、もう少し強くコントロールできないとあのレベルになるときつい。ちょっと単調になりましたよね。
――(2番手の)浅木(遥斗)投手が無失点。
彼はほんとにわかんないですよ。今日はいい方にでましたけど、だめな時はゲームをこわしてしまう。今日はいいほうがでて、次につなげてほしい。球は角度もあるし、いいものを望んでいるが、まだまだ表と裏がありすぎるんで。チームへの信頼度は中村の次に彼か、となるとまだまだかな。ただ、今日はこの大舞台でいいピッチングができたことはまちがいなく彼にとっていい経験になっているはずなので、糧にしてほしい。
――守りでもエラーが出た。
不安なところがあるんですよ、各ポジションで。こういう競って、大舞台になるとそれは隠せないんだなと思いました。帰ってからポジション変更も含めてちょっと考えないといけないなと思います。
――3点を先行した。
前半はいいペース。前半は逆に向こうが硬くてエラーがでていた。(聖光監督の)斎藤(智也)さんがよく鍛えているので、後半の集中力はビッグプレーの連発でしたから。ああいう風に仕上がってこなきゃいけない。点数を取ってくるとだんだん守らないといけないというような感じで、逆に萎縮した感じがする。練習不足も含めて物足りないところがあるんじゃないかと思います。
――相手バッテリーは投球間隔が短かった。
彼のスタイルなんでしょうね。前半は少し浮いたりしていましたけど、途中からストレートがコースにしっかりいって、最後はインコースに手が出ないところに放りきれているんで、ああいうコントロールだな、と。
――相手は中村を研究していた?
研究は当然したんでしょう。打っているストライクゾーンの球も130キロちょっと超えるくらい、140キロ超える球はほとんどボールでしたから。そこに高めにいくら放ったところで、彼らにはただのボール球にしか見えませんから。やっぱりゾーンにちゃんと投げ込めるようにしないと、相手には残像が残らないんで、苦しまないと思いますよ。
――最後は中村が再登板した。
ふふっ。こっち向いて投げたそうにしていたから(笑い)。そうはいってもうちのエースですから。多分悔しくてしょうがないとおもうんで。最後に甲子園のマウンドで、負けるにしたってお別れする部分では思い切って腕を振らせてあげたいなと思って。最後の1イニングは彼にとっては課題も残ったし、最後の思い切って腕を振ったのは、思い出じゃないけど、選抜の別れをつげてきたんじゃないですか。新しい中村が、夏に戻ってこれるように。彼は絶対努力してそういう形でくるとおもうので、それを期待しています。
――中村の春までの成長は。
2回戦でまけたからね。去年(の夏の甲子園)もベスト16、今年もベスト16でしょ。まだまだじゃないですか。キャプテンとして、打線も去年よりは重圧もかけていますから。そういう意味ではバッティングも含めて、大黒柱であることはまちがいない。ただ彼の成長という言葉にはまだ全然したくない。彼も、ここが終着点とは思っていないでしょうから。まだまだだよっていってあげたいですね。