(26日、春季四国地区高校野球大会1回戦 明徳義塾5―2高松商)
3月の選抜大会に出場した2校の対決は、明徳義塾(高知)に軍配が上がった。
序盤に貴重な得点を生んだのが4番の捕手・藤森海斗(3年)だ。三回、相手の暴投で1点を先取しなお2死三塁で右前適時打を放ち、流れを引き寄せた。
「いいところで打てたとは思います。でも六回の2死満塁で三振してしまって、反省の方が大きいです」
元々は捕手だった。だが昨年4月、1学年下の里山楓馬(ふうま)(2年)が入学直後から正捕手に抜擢(ばってき)された。以来、藤森の定位置は外野だった。
それが今年の選抜後、久々に捕手に戻ることになった。馬淵史郎監督によると、「藤森の方が投げやすい」というエース・池崎安侍朗(あんじろう)(3年)の意見がきっかけだったという。
馬淵監督は「藤森のリードは意外性がある。そこで内角はないだろう、というところで内角に構える。本人はプロに行きたいと言っているし、(外野手より競合相手が少ない)捕手ならドラフト候補に入れる」と評する。
本人も「この1年、捕手をやりたいという思いはずっとあった」と本音を隠さない。
「久々に着けましたけど、やっぱり背番号『2』はいいです」
この日はストライクゾーンを広く使い、完投した池崎を支えた。ただ、2失点のうち1点は四回2死三塁からの捕逸で許したものだ。
「あれはダメ。抜けているところをしっかり詰めていきたい」。集大成の夏を見据え、さらなる成長を誓った。