羽田発着枠争奪戦
5年ごとに迎える羽田空港国内線の発着枠をめぐる争奪戦。ドル箱の羽田路線は、航空各社の収益を左右するため、経営トップが火花を散らして議論します。検討委員会が出した結論を、番外編としてお伝えします。
6月26日。5年に1度の羽田空港の発着枠の配分を議論してきた検討委員会で、今回の方針を記した「報告書案」が配られた。1ページ目に結論が示されていた。
「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえれば、各航空会社の状況を評価することは困難であるから、回収・再配分による発着枠配分の見直しは行わないこととするべきである」
各社の主張が大きく二分された論点だったが、全日本空輸(ANA)や、ANAとコードシェア(CS)をするエア・ドゥ、ソラシドエア、スターフライヤーの主張とおおむね一致する考えを国土交通省も示した形と言える。
今回の配分見直しの実績評価の期間となる2019~23年度はコロナ禍と重なった。そんな中でも経営を維持するために各社が努力したことを、報告書案では高く評価した。一方で「それらを新たな客観的指標により公平・公正に評価することは困難である」とした。
その上で、コロナ禍の影響が残る23年度を起点として、23~27年度の5年間を新たな評価期間とする方針を示した。次に発着枠の配分が見直されるのは28年夏ごろの見込みだ。
報告書案の中で、特筆すべき点は、羽田でのCSのあり方について言及したことだ。
羽田ではANAと3社がCS…