酒々井学の一環として開かれた「こども模擬議会」=2024年10月16日午後2時1分、酒々井町役場、小林誠一撮影

 千葉県酒々井町で先月、「こども模擬議会」があった。小中学生による模擬議会は県内でも珍しくはないが、酒々井では、町独自のふるさと学習「酒々井学」の授業に位置づけているのが特徴だ。小6と中3の計8人が、様々な角度から、町の課題に対する見解をただした。

 「酒々井にも外国人が増えている。外国語の表記が少ないのは、どうかと思う」。町議会議場の質問者席から、酒々井小の八牧顕之介さん(12)が問うた。小坂泰久町長は、町では9言語に対応する通訳アプリを導入していることを紹介。その上で「まだ足らないと思うので、対応してまいります」と述べた。

 この他にも、酒々井、大室台小と酒々井中から計7人が、ゴミ問題、生活困窮者への寄付活動、公園の暑さ対策などについて質問した。町長ら執行部は、実際の議会と同様に答弁。議長は酒々井中の3年生が務め、傍聴席では保護者や町議らが見守った。

 「酒々井学」は、地域の素材を使って学習や活動をするプログラム。2006年に始まった「模擬議会」も、17年からこの一環に位置づけられている。6年生の社会科で採り入れ、町の役場の仕組みや様々な施策などを学ぶ。模擬議会の質問者は、模擬選挙で決まる。

 町教育委員会学校教育課は「町の歴史・文化・自然について知ることで、郷土に愛着と誇りを持ち、町民としてのふるさと意識を育む」としている。(小林誠一)

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