2023年夏の甲子園大会で采配を振るう沖縄尚学の比嘉公也監督(右から2人目)

 みずからエースとして甲子園のマウンドに立ち、1999年の選抜高校野球で優勝した。9年後には指導者として母校を優勝に導いた。

 比嘉公也監督率いる沖縄尚学は、昨秋の九州大会でも優勝。今春の選抜高校野球大会にも出場し、24日には8強入りをかけて昨秋の明治神宮大会を制した横浜(神奈川)と対戦する。

 投手出身らしく、投手の育成には定評があり、U18(18歳以下)日本代表のコーチも務めた。その指導の根本にあるものとは。

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恩師の誘いがきっかけ

 わたしが高校野球の指導者を志したきっかけは、はっきりとはありません。

 ただ、高校を卒業して愛知学院大時代に左ひじを痛め、学生コーチをしていたときに、母校の恩師である金城孝夫監督に「手伝ってほしい」と甲子園に呼ばれました。沖縄尚学が2003年の夏の全国選手権大会に出場したときに「ノッカーとして来てくれないか」と言われたのです。

 実際に甲子園で試合前のシートノックをしていると、「こういう道もあるのかな」と感じました。

 大学を卒業するときに、公民の教員免許は取得していましたが、地理・歴史の免許も欲しいと沖縄大に科目履修生として通っていました。

 そのすぐ隣にあるのが、沖縄尚学です。たまに母校のグラウンドにいきました。そこに声がかかって、2006年に監督に就任しました。

 最初のころは厳しく指導しました。若さゆえの一方通行だったと思います。

 わたしの高校時代を振り返る…

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