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国重要文化財に指定されている三浦義明坐(ざ)像=満昌寺提供
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 鎌倉幕府成立に大きな役割を果たした三浦半島の武将・三浦大介(おおすけ)義明(よしあき)の菩提(ぼだい)寺として知られる満昌寺(神奈川県横須賀市)が、所蔵する国指定の重要文化財「木造三浦義明坐像(ざぞう)」を約180年ぶりに修復する。住職の永井宗寛さん(66)は「三浦一族の誇りをつなぐ地域の宝。歴史ある境内の整備も進め、次世代へ受け継ぎたい」と話す。

 横須賀市教育委員会によると、坐像は鎌倉時代後期につくられたと推定され、像高は等身大とされる81・4センチ。玉眼入りの寄せ木造りで、両手両足などは差し込んで組み立てられ、色彩はほとんど剝落(はくらく)している。

 文化庁によると、義明は周辺豪族との姻戚関係を築き、房総の各地にも勢力を拡大して、三浦一族発展の基礎を固めた。1180年に平氏討伐に向けて伊豆で挙兵した源頼朝に応じ、本拠・衣笠城(横須賀市)の戦いで討ち死にした。ときに89歳。「老命を武衛(頼朝のこと)に投げうって子孫の勲功に募らん」と、一族を頼朝のもとに赴かせ、ひとり源家再興に殉じた、とされる。

 衣笠城から逃れた子孫らは頼…

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