闘病記のソムリエとして、出版社「星湖舎(せいこしゃ)」の社長、金井一弘さん(69)は病気の体験記を動画配信で紹介する。2024年12月に始め、2週に1度のペースで、乳がんや脳梗塞(こうそく)、大腸がん、認知症などと続く。
フリーターを経て出版社で営業を担当。1999年に今の出版社をつくった。高校時代は天文部に所属。星湖舎という名前には、「輝く才能を持つ人たちが、湖くらいの規模で集う所に」との思いを込めた。自分史や旅行記がメインだったが、闘病記や障がいを持つ人の本が増えていく。
白血病の女性は、乳がんの人の本を、紙がすりきれるほどに読み、抱いて眠り、「生きる希望を得た」と話し、自らも著した。「闘病記は命のバトン」と気付かされた。
「誰かの勇気になる」
患者数が少なく、闘病記がな…