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記者会見する港浩一社長(中央)ら

 タレントの中居正広さん(52)が起こした女性とのトラブル報道に端を発した問題は、多数の企業がフジテレビでのCM放送を見合わせ、フジが一転して第三者委員会を設置することを決め、中居さんが引退を表明するまでに広がった。この事態をどうみるか。危機管理広報会社エイレックス社長の江良俊郎さんに聞いた。

 17日のフジテレビの会見は、「何が起きて、誰に謝るための会見か」を登壇者らも理解しないまま行われた印象です。一部のメディアに絞ったことも良くなかった。放送局は報道機関でもあり、国から免許を与えられて電波を使う事業で、一般企業よりも公益性が高いため、より説明責任があるからです。

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 「プライバシー」「調査委員会にゆだねる」を盾に、関係のないことまで回答を控えたことは、隠蔽(いんぺい)体質を印象づけました。

 本音を言えば第三者委も作りたくなかったのでしょう。それで済むと考えたのが大きな誤り。本来なら会見の前に委員長まで決めておくべきでした。必ず記者から聞かれる質問ですから。

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 事態を甘く見ていたのでしょう。報道機関は攻撃には強いが、自分たちが取材対象になると、防御に弱い。幹部には報道畑出身の人もいるでしょうから、「自分たちがいれば外部からのアドバイスは要らない」と思ってしまったのかもしれません。

 いまとなっては2023年6…

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