陸上競技場をなくしてサッカーコート2面を造る「サッカーパーク」案=紀の川市提供

 紀の川市が桃源郷運動公園の再整備構想を進めている。施設の稼働率や収益の向上を図るため、陸上競技場をなくしてサッカーコートを増設する計画だが、利用者からは反対運動も起きている。

 紀の川市の南西部にある桃源郷運動公園(約9万9千平方メートル)は、2005年10月に400メートルトラックとサッカーコートがある陸上競技場が完成し、芝生広場、学習体験館なども整備された。

 だが、近年はスポーツ施設の劣化と老朽化対策が課題となっており、市は22年度に再整備の検討を始めた。

 市が24年3月にまとめた「再整備基本構想」には「スポーツ施設以外のエリアではウォーキングやペットの散歩など個人での利用が散見されるのみで、日常から賑(にぎ)わっているとは言い難い」と、利用状況が示されている。「こどもの遊べる場所」や「賑わいを創出する場所」など市民ニーズに対応する必要があるとして、新たにイベントスペースや遊具を設置し、駐車場を増設する計画が盛り込まれている。

 また、陸上競技場については市は基本構想で示した3案から「施設の稼働率や収益性の高さが見込める」として、陸上競技場をなくしてサッカーコートを現在の1面から2面に増設する「サッカーパーク」建設案に絞り込んだ。関西規模の大きな大会や市外から合宿を誘致し、ナイター照明を設置して新たに夜間の利用者増を見込んでいる。

 公園全体の再整備にかかる費用は概算で19・9億円。サッカーパークの年間利用者数は約3万9千人、使用料収入は約1千万円になると予測している。市は29年度の開園をめざし、基本構想をもとに8月までに基本計画を策定する方針だ。

 一方、市内唯一の400メー…

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