川崎市多摩区を拠点とするプロレス団体「ヒートアップ」は、「社会貢献」という理念を掲げている。障害者の雇用や支援を進め、リングから元気を届けてきた。
運営会社の社長で現役レスラーの田村和宏さん(45)は、障害者の作業所で働くダウン症の姉、麻子さん(47)の言葉が忘れられない。「わたしの時給、30円ぐらい」。「それしかもらえないのか」と知った。
一緒に育った姉に対し、温かい目線ばかりではないと感じていた。「障害者と健常者の壁を崩したい」。プロレスの会場では、障害者を神奈川県の最低賃金で短期雇用し、設営などをしてもらい、障害者がつくったポップコーンなどを販売する。経済的自立に心を寄せる。
主催興行では18歳以下のほか、障害者手帳を持つ人も無料で入場できる。街に出て交流を広め、プロレスを見て元気になってほしいとの思いを込めた。
障害者も小学生もリングに
耳の不自由な今井礼夢(らい…