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ヒートアップのレスラーたち。田村和宏さん(左から3人目)と今井礼夢さん(左から4人目)=2025年7月11日午前10時5分、川崎市多摩区、佐藤英法撮影

 川崎市多摩区を拠点とするプロレス団体「ヒートアップ」は、「社会貢献」という理念を掲げている。障害者の雇用や支援を進め、リングから元気を届けてきた。

 運営会社の社長で現役レスラーの田村和宏さん(45)は、障害者の作業所で働くダウン症の姉、麻子さん(47)の言葉が忘れられない。「わたしの時給、30円ぐらい」。「それしかもらえないのか」と知った。

 一緒に育った姉に対し、温かい目線ばかりではないと感じていた。「障害者と健常者の壁を崩したい」。プロレスの会場では、障害者を神奈川県の最低賃金で短期雇用し、設営などをしてもらい、障害者がつくったポップコーンなどを販売する。経済的自立に心を寄せる。

 主催興行では18歳以下のほか、障害者手帳を持つ人も無料で入場できる。街に出て交流を広め、プロレスを見て元気になってほしいとの思いを込めた。

障害者も小学生もリングに

 耳の不自由な今井礼夢(らい…

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