相次ぐ記録的な大雨を受け、「雨に弱い」とされる東海道新幹線の運転規制の基準が変わった。運行への影響をより正確に把握し、徐行や運転見合わせの判断をきめ細かに行うため、24時間連続の降雨量から、線路を支える盛り土内の水分量を示す指標に切り替えた。

 東京と新大阪を結ぶ東海道新幹線は、沿線の59カ所に設けた雨量計の観測データをもとに、「時雨量」(1時間)、「連続降雨量」(24時間)、「10分間雨量」の三つの指標を組み合わせて、徐行や運転見合わせなどの判断基準に用いてきた。このうち、連続降雨量に代えて6月から導入した「土壌雨量」は、降った雨が土壌に水分としてどれだけとどまっているかを示す指標で、気象庁が土砂災害警戒情報などの判断基準とする指標と同じ計算式を利用する。

東海道新幹線の盛り土におけるモニタリング(イメージ)

 JR東海によると、土壌雨量は雨量計ごとに規制値を設けるため、従来よりも短い区間ごとに運転規制を判断できる。短時間の集中豪雨では連続降雨量に比べて運転再開が早まることも考えられ、過去5年間の雨量データで試算すると、運転規制は短くなる傾向がみられたという。また、最近目立つ24時間以上降り続くケースでも盛り土への影響を適切に評価でき、安全確保に役立つという。

 今回、取材に入った東海道新幹線の研究施設では、1時間あたり200mmの大雨を再現できる装置などがありました。記事の後半では、研究施設内を撮影した動画をアップしています。

1964年開業、特有な線路構造

 JR東海が熱心に雨対策に取…

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