岩手県大船渡市で発生した火災は26日午後、強風によって、あっという間に600ヘクタール以上燃え広がり、集落を襲った。次々に避難所が開設され、午後5時現在、約400人が避難している。
「合足地区から岩崎地区まで5地区に火が及んでいる」
大船渡市幹部は悲痛な様子で話した。渕上清市長は26日夕、記者会見を開き「すぐに命を守る行動を」と呼びかけた。
越喜来小に避難した大森ユキ子さん(76)は、避難指示の出た当初は、車がなく、夫は足腰が弱っているので、避難をためらっていたが、煙の臭いがして炎が見え、爆発音も聞こえてびっくりした。親類に車で迎えに来てもらい、5人で避難した。「もしかしたら、帰ったら家がないかもしれない」。それでも、地区の人たちと話をして気を紛らわせる。孤立して漁船で対岸に避難した住民もいたという。
社会福祉法人の山口清人さんは各避難所に1800個900パックのおにぎりを持ってきた。「消防活動にあたる人に元気がでるように。避難所も頑張ってください」
岩手県内では18日から沿岸南部に乾燥注意報が継続中のうえ、26日未明からは強風注意報も出ていた。強風でヘリによる消火ができないことも火勢を拡大させている。
綾里地区の実家の様子を見に…