(27日、第107回全国高校野球選手権愛知大会決勝 東邦―豊橋中央)
愛知県高校野球連盟の加盟校は5地区(名古屋、東三河、西三河、知多、尾張)に分かれている。夏の甲子園から最も遠ざかっているのは東三河地区で、1975年の国府(豊川市)が出場したのが最後だ。
第57回大会の国府は、右アンダースローのエース・青山久人投手と2年生・市川和正捕手のバッテリーが主力だった。愛知大会は1回戦から登場し、名古屋商、享栄、中京、刈谷工、名古屋電工、豊川を破って決勝へ。決勝は愛知を4―1で下して春夏通じて初の甲子園出場を決めた。
甲子園では1回戦で柳井商(山口)に0―1で敗れた。青山投手はこの年秋のドラフト会議で中日に3位指名され入団。細身の体形から「青えんぴつ」の愛称で親しまれ、通算14勝を挙げた。市川捕手も東海大を経て横浜大洋に入団し、正捕手となった。
しかしその後、東三河勢は愛知大会で決勝へ進むものの「あと1勝」がつかめない。
第79回の豊橋南、第85回から2年連続で豊川、第101回の桜丘はいずれも準優勝だった。愛知から2代表となる東愛知大会では、第80回と第100回は決勝へ進めず、第90回は成章が決勝で大府に敗れた。
東三河地区の県高野連加盟校は現在22校で、知多地区(17校)に次いで少ない。国府の快進撃から半世紀、豊橋中央は初めて決勝に進出した。「東三河の悲願」を達成できるか。豊橋市から夏の甲子園出場となれば、第33回の豊橋商以来74年ぶりとなる。