【動画】味園ビル地下のユニバースで開かれたカラオケ大会=小林一茂撮影
2月に営業を終えた大阪・ミナミの「味園(みその)ビル」2階飲食店街の店主らが、ビルに別れを告げる「大宴会」を開いた。元キャバレーで地下1階にある貸しホール「ユニバース」に店の常連客ら約200人が集い、「魔窟」と呼ばれた老舗ビルでの日々を惜しんだ。
1955年に建てられた味園ビルは、かつてはサウナや宴会場も備えたレジャー施設として知られたが、今年2月、2階飲食店街の全店が営業終了。老朽化したビルは閉鎖される見通しだ。
今月21日にあった「味園サヨナラ大宴会」を主催したB・カシワギさん(45)は、2009年からバー「なんば白鯨」を営んできた。「ここでの毎日は、ベタだけど『青春』だった。区切りをつけるつもりでイベントを企画した」と話す。
記事の後半では、大宴会の様子や、普段は見ることのできないユニバースの楽屋を複数の写真で紹介します。
トリを務めたのは……
大宴会では、飲食店店主がカラオケを披露するなどした。「人生で一番楽しい時期だった」「火災報知機の誤報が多くて困った」。マイクを手にお気に入りの曲を歌うとともに、ビルでの思い出を語った。
トリを務めたのは40年以上「スナックまち子」を営んだ桑江京子さん(82)。常連客らに見守られながら出身地の沖縄民謡を歌った。
「いっぺんにいろんな遊びができる、良いビルだった」と振り返る。「店じまいのとき、お客さんに『やめないでほしい』と泣かれたのを思い出した。久しぶりにみんなに会えて、涙が出てきました」と話した。