名古屋高等裁判所

 「頂き女子りりちゃん」の名前でSNSで活動し、男性3人から計約1億5千万円をだまし取ったとして詐欺などの罪に問われた無職渡辺真衣被告(26)の控訴審判決が30日、名古屋高裁であった。田辺三保子裁判長は、懲役9年・罰金800万円を命じた一審・名古屋地裁判決を破棄し、懲役8年6カ月・罰金800万円とした。

 田辺裁判長は、一審判決に量刑判断の誤りはないとした。そのうえで、渡辺被告が被害者に謝罪の意思を示していることや、被害者からだまし取った金を犯罪収益と知りながら、飲食代として受け取った元ホストの男(27)=組織犯罪処罰法違反などの罪で公判中=が、渡辺被告の一審判決後に被害者へ一部を賠償したことなどを減刑理由として述べた。

 控訴審判決などによると、渡辺被告は2021年3月~23年8月、「親と縁を切るのに手切れ金が必要」などとうそを言い、男性3人から計約1億5千万円をだまし取った。また、金銭をだまし取る方法を記したマニュアルなどをインターネットで販売し、約1千万円を詐取した名古屋市の女(21)=詐欺罪で有罪が確定=の犯行を手助けするなどした。

 弁護側は、「愛情に飢えた被告人をホストらに食い物にされた事案」などとして量刑が不当に重いと主張していた。(渡辺杏果)

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