世界遺産をめざす「飛鳥・藤原の宮都」(奈良県)が、国内候補としてユネスコ(国連教育科学文化機関)に推薦されることになった。推薦の前提となる暫定リスト入りから、はや17年。最短2026年の登録実現に向けて世界に挑む。
7世紀は日本史上のエポックだ。クーデターをともなう「大化の改新」を機に、時の政権は旧来の有力豪族による合議制から天皇を中核とした中央集権制へと大きくかじを切る。その舞台が飛鳥・藤原だった。
日本誕生の歩みをたどれる国家揺籃(ようらん)の地として全国的に知られるが、「世界遺産をめざすことで価値の見え方が違ってきた」と、登録推進協議会専門委員会委員長の木下正史・東京学芸大名誉教授はいう。
「これまで世界的な視点や遺…