ミャンマー中部マンダレーの僧院に設置されたキャンプには、簡素なテントが密集していた。1500人以上が暮らすという=2025年4月21日、マンダレー、笠原真撮影

 ミャンマー中部を震源とする大地震から、28日で1カ月。被災地では崩れた建物が残り、壊れた配水管から水があふれていた。一方でがれきの撤去が進んだ場所や営業する店が増え、「日常」が戻りつつあるようにも感じられた。

 目立つのが竹やシートでできたシェルターが並ぶキャンプだ。家を失った被災者が身を寄せる。

 「地震直後は1日3~4回あった団体や民間からの寄付は、ここ2日間来ていません」。中部マンダレーで僧院のシェルターに避難するアウンターさん(33)は言う。寄付がなければ食事は僧院から1日1回支給される弁当が頼りだ。

 住職によると、ここでは1500人以上が避難生活を送る。「長期化するほど状況は困難になる」

 キャンプを複数回ると、支援状況に濃淡がみられた。より震源に近いザガインの当局が管理するキャンプでは、中国などから届いた物資が並べられていた。管理者の男性(59)によると、当局のキャンプには外国の支援が多く入るといい、「食料には困っていない」と言う。

 経済的に余裕がある被災者はホテルや他地域に移る一方、困窮者はキャンプしか行き場がない。国連は2万7千棟の建物が倒壊・損壊、または損壊した可能性があるとしているが、現地では資材不足が深刻化。復興のめどは立っていない。

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