Smiley face
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ソフトバンク戦で初本塁打を放ち、塁を回る吉田賢吾=加藤丈朗撮影
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 4月2日、本拠エスコンフィールド北海道でのソフトバンク戦。日本ハムが1点をリードしたまま、試合は終盤を迎えていた。

 七回の先頭打者として、吉田賢吾が打席に向かった。

 昨年12月の現役ドラフトでソフトバンクから移籍したプロ3年目は「1番・左翼」で先発出場したが、ここまでの3打席はいずれも内野ゴロ(五回の第3打席は投手失策で出塁)と結果が出ていなかった。

 「(接戦で)守備で途中交代していたかもしれない中で、もう一度、打席のチャンスが回ってきた」

 前の3打席を振り返った。打ち気にはやり、ミートポイントが少し前にずれていたと感じた。

 「自分のポイントまで引きつけて打とう」。そう気持ちを整理して構えに入った。

 マウンドにはソフトバンクの「勝利の方程式」の一人、藤井皓哉が上がった。

 1球目。外角低めに149㌔の直球が決まった。ストライク。「タイミングを差し込まれた。甘い球を見逃した」

 心のなかで「しまった」と思ったが、おくびにも出さない。

 2球目。外角低めに151㌔の直球がきた。判定はボール。

 「ちょっと遠く感じた。まだタイミングが合っていなかった」

 そして3球目。打席に立つ吉田は、サインを交換する藤井の一瞬の表情の変化を見逃さなかった。

 「『えっ』て感じで首を横に…

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